久万造林について

久万造林株式会社は、愛媛県久万高原町で、150年木を育てている会社です

当社の歴史

弊社は愛媛県の県庁所在地松山市から高知方面に向かって約30kmの山間にある上浮穴郡久万高原町菅生(すごう)にあります。
創業者の井部栄範は、明治5年(1872年)に和歌山から松山を経て、四国88か所の第44札所菅生山大宝寺の執事として久万に来た僧侶でした。
翌年の明治6年(1873年)に寺が所有していた山に杉苗を植え始めました。これが久万林業の始まりだといわれています。
現在の代表取締役・井部健太郎は栄範から数えて五代目にあたります。

栄範が植林をするきっかけとなったのが明治維新です。

もともとこの地方は森林に覆われた豊かな山でした。
江戸時代は各藩が行っていた山林管理政策により管理されていましたが、維新をきっかけに規制が解除され、人々は目先の利益に追われ次々と山を伐り、焼いて畑にし、禿山ができ、急速に森林資源が失われていきました。
荒廃していく人の心、村と森林の将来への危機感が栄範を襲いました。そこで地域発展の有効な手段として植林を選びました。
ちなみに弊社の屋号は、○ス(マルス)です。これは、旧の菅生村からとったもので、今でも山の境木や境石にはこの屋号を使っています。

栄範は、還俗(僧侶を辞める)し本格的に林業を始めましたが、当初は木材で生計を立てることは出来ず、様々な事業を行いながら、大正3年(1914年)に亡くなるまで杉苗の普及と育林に努めました。

弊社は、栄範が亡くなった2週間後に株式会社化しました。その後、昭和20~40年代の高度経済成長期もあり、栄範の育てた木は高価な値段で広く取引され、弊社の今を支えています。

当社のしごと

現在、弊社の所有山林面積は約320ha。その90%が杉・桧の人工林で、杉6割、桧4割という構成です。
現在は、基本的に自社施業ではなく、地元の素材生産業者(伐採の請負業者)さんに委託して、間伐などの施業を実施しています。

GISを含めた森林管理ソフトを2009年から導入し、境界線や各種山林状況写真、施業履歴などを随時更新して、5年単位で森林経営計画を作成し所有山林の管理をしています。

2014年からは、「黄金の森プロジェクト」を立ち上げ、杉・桧の構成割合を50%まで下げ、様々な樹種に更新して多様性のある森林づくりを目指しています。

2019年には、所有山林(約320ha)をドローンでのレーザー測量を実施し、3D地形データを所得しました。

基本的には、山林という自社の不動産管理業に近いと考えています。